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胃にやさしく、赤に合う軽い料理

パリのスーパーの鶏肉売り場でとても驚いたのが、「もも肉」よりも「胸肉」のほうが、圧倒的に高いこと。日本とは逆で、胸肉のほうが倍近くします。私は「フランス人は胸肉のほうが好きだから高いんだな」などと思っていたのですが、リヨン出身のフランス人の友人は「僕はもも肉のほうが好きだよ」と言っていました。ともあれ、フランスでは、おいしいもも肉を安く食べることができたのです。

日本と同じ点は、やっぱり「地鶏は高い」ということ。フランスにもブロイラーと地鶏は明確な区別で売られており、同じもも肉でも、やはり倍くらい値段が違います。
中でも、有名で値段が高いのは「ブレス産」。これは、美食の都と言われるフランス中部の都市、リヨン(写真右)の南にあるブール・カン・ブレスという町で産出される鶏肉です。フランスではブランド鶏の王様、日本で言うところの「名古屋コーチン」や「秋田比内鶏」でしょう。確かに濃厚な味で、フランス人が珍重するのも理解できます。

このブレス産の鶏を使った、バルサミコ風味の鶏の煮込みを食べたのは、リヨンに旅したときのことでした。リヨンの料理は「美食の都」の名に恥じることなくとてもおいしいかったのですが、滞在3日を過ぎると私の胃には少し重く感じていたのです。そんなとき、バルサミコの酸味がきいたこの料理は、消化を助け、疲れた胃をなだめてくれたようでした。

赤ワインが飲みたい、でも重い料理と合わせるのはキツイ。そんなときにおすすめしたい料理です。





鶏もも肉 200グラム(1枚)
手羽もと 2本
トマト 1個
にんにく 2片
エストラゴン 2枝
フォンドボー 100cc
チキンコンソメスープ 50cc
赤ワイン 100cc
バルサミコ酢 30cc
バター 50グラム
塩・胡椒 適量


今回使ったフォンドボーは缶詰の市販品を使いました。容量がけっこう多いので、残りはタッパなどに入れておくようにしています。チキンコンソメは、50ccの水に対して1グラムぐらいの固形コンソメを溶かしてつくりました。


今回の料理がバルサミコ酢を使った酸味のある味付けなので、ワイン自体に程よい酸味のある赤ワインとの相性がよいと思います。比較的冷涼な土地で産出されるブルゴーニュの赤ワインには適度な酸味が感じられるので、今回はこの地方のボーヌ村でつくられるプルミエクリュのワイン、オスピス・ド・ボーヌを合わせました。


1、トマトは沸騰したお湯の中に入れて火を通した後、冷水にとり皮をむいたら、へたを取ってみじん切りにしておく。
にんにくも同様に、みじん切りに。

2、もも肉1枚を4等分し、手羽元もいっしょに塩・胡椒しておく。

3、2の肉をバター30グラムを入れたフライパンで両面に焼き色がつくまで炒める。
その後、いったんフライパンから鶏肉を取り出しておく。

4、3のフライパンに、にんにくのみじん切りを入れて弱火で炒める。
その後トマトのみじん切りを入れ、3でいったん取り出しておいた肉を戻す。

5、4に赤ワインとバルサミコ酢を加え、しばらく煮詰める。
その後チキンコンソメスープとフォンドボーを入れてアクを取ったら、ふたをして30分間弱火で煮る。

6、仕上げに、エストラゴンのみじん切りとバター20グラムを入れて全体になじませ、塩・胡椒で味を調えて出来上がり。
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